油圧小話4

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基本は5つ

さて、今回はもう少し「油圧機器」の世界へ入ってみましょう。一般の工場や工事現場、大学の研究室、身近なところでは自動車のブレーキ、意外なところではフィットネスマシン(ベンチプレスなど)に油圧機器は使われています。もちろん第1話〜第3話で紹介したように簡単な構成のものもあれば大型で、しかも非常に複雑に回路構成されているものもあります。

しかし油圧機器を司っている要素は5つしかないのです。

 

1・ポンプ

作動油に圧力や流れを発生させるための機構です。油圧装置を使用して仕事をするためには必要不可欠な装置です。大きく分けて手動式と電動式があります。電源がとれない場所ではガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを原動機として使用する場合もあります。

手動ポンプ (写真左)手動ポンプ (写真右)電動ポンプ 電動ポンプ 

手動ポンプ、電動ポンプとも仕組みが色々ありますがそれはまたの機会にご説明します。 

2・バルブ

ポンプから送られた作動油は必ずこのシステムを通過します。バルブにも色々ありますが主なものに

  1. 方向制御弁

    油がどこへ行くかを決めるバルブです。お目当てのシリンダーやその他のバルブへ油を導くために使います。復動シリンダー(押し引きの出来るシリンダー)などですと4方3位置弁がよく使われます。

  2. 流量制御弁

    絞り弁、流量調整弁がこれになります。シャットオフ弁(水道の蛇口と同じ)も大きな意味ではこれになります。

  3. 安全弁

    システムの過負荷を防止する弁である一定以上の圧力が立たないようにするものです。ほとんどの油圧システムに搭載されております。

  4. その他の弁

    サーボ弁、シーケンス弁、カウンタバランス弁があります(後の話題で詳しく紹介します)。

3・タンク

動物で言えば「血液」に相当する油圧作動油を溜めておくものです。ポンプ性能、シリンダーや油圧モーターの容量で大きさを決めます。構造的には耐油・耐腐食構造が求められます。

4・アクチュエータ

油圧シリンダー、油圧モーターの事を意味します。これがなければせっかくの油圧システムも意味がありません。

5・アクセサリー

上記4つ以外のものをさします。「アクセサリー」といっても付加価値的なものではなく、油圧システムをトータルに考えた場合必要なアイテムが結構あります。具体的には

  1. 油圧ホース・油圧パイプ

    それぞれのシステムをつなぐために必須です。また、カップラーや各種継ぎ手(ジョイント機器)もなくてはなりません。

  2. 油圧計

    圧力の状態をモニターするのに必須です。

  3. 圧力スイッチ・センサー

    電気制御で一定の圧力に達したときに電気信号を送ったり、圧力の監視をします。

  4. 電気制御システム

    電動ポンプユニットや電磁バルブを使用するときに必須です。最近では電子制御油圧システムも多くなりました。

 

以上の5つの機能が1つに合わさって初めて「油圧システム」として機能するのです。

 

次回からこれらのようその一つ1つをわかりやすく紹介しようと思います。

 

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